頑固と柔軟が同居する野菜職人

下山 修弘さん

下山 修弘さん

さんぶ野菜ネットワーク
1979年生(38歳)
内装業に7年ほど就いていたが2005年から地元で就農。さんぶ野菜ネットワーク新規就農者第1号。農家っぽくない外見ではあるが、ニンジンを中心とした野菜のほか何人もの研修生も育てている。

NEW 2018.11.15
頑固と柔軟が同居する野菜職人
第30回は千葉県のさんぶ野菜ネットワークのメンバーの1人、下山さんを訪問。一緒に仕事をされている奥さんと一緒にお話しを聞いてきました。お父さんはさんぶ野菜ネットワークの役員ですが、息子である修弘さんは自分の会社を持ち、独立して農業を営んでいます。当日は冬の嵐なのか、前が見えなくなるほどの砂嵐が吹き荒れ、「ここは日本か?」と唖然とするものすごい天候。でも、ちょっとワクワクテカテカした担当者でした。
  • 就農されたのは20代後半だったと聞きます。何か他の仕事をされてたんですか?
  • 下山 アイコン高校時代、友人のところで内装業のアルバイトしてたんですが、結構自分にも向いていたのでそのまま働くことにしたんですよ。先生も進学する気もなさそうな自分には「おまえどこに就職するつもりなんだよ〜」ってなもんで、そこで「もうとっくに決まってますよ」って。
  • まぁえらそー。「進路はしっかり考えてるんです!」みたいな口調(笑)。その後どうして農業に?
  • 下山 アイコン7年くらい過ぎた頃、仕事が少なくなってきて仕事も途切れ気味で、将来に不安も覚えるようになったんですよ。一方、さんぶ野菜ネットワークは事務所を構えることになり、父からも「農業どうだ?」って持ちかけられて。僕がさんぶの第1号の研修生なんです。
  • 急な話だったようですが、すんなり農業になじめました?
  • 下山 アイコンまあすんなりといえばすんなり。でも面白くなったのは3年目くらいからで、最初はもー辛くて辛くて。

  • 肉体労働してたのに?
  • 下山 アイコン職人仕事だと、これをやったら次はあれと。早く上げればそれは利益になるんですよね。農業は違った。初めてのことで段取りはてんでわからないし、時間は経たないし。一番嫌な草取りは急いだってエンドレスだし。内緒だけど酒飲んで気分良くなってぽや〜んと草取りやってました。いいアイデア!って思ったけど、まぁそれもまずいなって止めました(笑)。
  • 下山 奥さんアイコンまあ畑の中で一人でやってるんだから誰にも迷惑はかけないんですけどね(笑)。斬新な草取り効率化方法だけど夏の脱水症状が心配 という。
  • そこは元看護師の奥さんがいれば!(笑)ところで研修はどなたのところで?
  • トンネルが整列

    ものすごい砂嵐

    美しく並んだトンネルは息の合った奥さんと建てる。取材日は信じられない強風と土ぼこりで口の中までじゃりじゃりである。

  • 下山 アイコン第1号だから何も決まってなくて、グループのいろんな人のところに行って見てメジャーで測って、「あーこれはこうするんだ」と自分なりにマニュアル作ってね。
  • お父さんったら息子を引き入れておいて教えないんですか?
  • 下山 アイコン あー父は元JA勤めだったので完全に事務屋です。農家じゃないから野菜づくりは教われない。
  • ちょっとめまいがしてきた。下山さんは2代目だと思ったら初代だったんだ。何が研修生第1号だ。おとうさんったら風呂敷バーンと広げただけ?
  • 下山 アイコン そうそう。だから農家の2代目の人みたいに機械だのいろいろ揃ってるわけじゃなく。さんぶに所属してなかったら農業への転向は不可能でしたね。「これ使いなよ」って持っていない機械を貸してくれる人たちがいて助かりました〜。
  • 内装業は脂ののってきた時期に入ってただろうし、転職したことに後悔しませんでした?
  • 下山 アイコン いや、農業の方がずっといいですね。収入の面では内装の方が良かったですが、達成感は農業の方が断然上です。狭いところでヘルメットかぶって、夜間作業はあるし、ビジネスホテルにずーっと泊まりっぱなしだったり。農業の方がずっと難しいけど楽しいです!
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