新規就農者を引き寄せる場所

柴田 勲 さん

柴田 勲 さん

くらぶち草の会
1977年生(38歳)
大学では史学を学んだが、イロイロあって青森の競走馬の育成牧場に就職。その後。新規就農者としてくらぶち草の会に腰を据えて13年。ホウレン草や小松菜、ミニトマトなどを栽培している。

利波 浩樹  さん

利波 浩樹 さん

くらぶち草の会
1978年生(37歳)
大学・大学院で精密工学を学ぶが向かないことに気づき農家を目指す。北軽井沢から始まった数々の産地での勉強後、くらぶち草の会で新規就農者デビュー。ホウレン草や中玉トマトをなどを栽培。

2016.5.20
新規就農者を引き寄せる場所
第8回Radixの会総会で集まった大勢のワカモノたちに思い切りニヤニヤした後、まだちょっと肌寒い群馬県の倉渕町に足を運びました。第24・25回は榛名山の中腹に位置する「くらぶち草の会」のワカモノたち。若くて、なおかつ新規就農者というダブルでおいしい素材を、晴れ渡った群馬の空をバックに取材してきましたよ。
毎度のことながら、彼らの経歴にも注目。なぜ新規就農者の経歴ってこんなにもヘン、いやバラエティに富んでいるのかな?
  • お二人とも新規就農者なんだそうですね?
  • 柴田 アイコン僕は東京から来ました。ここに来たのは……13年前、確か26歳の時ですね。
  • 利波 アイコン僕は10年前に、富山出身です。

  • 最初から農家志望だったんですか?
  • 柴田 アイコン農業をやりたかったのは奥さんなんですよね。自分は青森の競走馬の育成牧場で働いてたんです。まあ、そこまでにいろいろあったんですが。
  • いろいろを根掘り葉掘り聞きたい「ワカモノに聞いてみよう」なんですが(笑)。
  • 柴田 アイコン高校の時、悪性リンパ腫になって一時は寛解したんですが、大学に入ってから再発して白血病に……。でも幸い兄と骨髄の型が合って、移植できたんです。
  • なんて「いろいろ」だ。でも本当によかったです! ん〜、農業にはどこでつながるんだ?
  • 柴田 アイコン入院してた病院の近くにWINS(場外勝馬投票券発売所)があって、競馬に興味がわいてきたんです(笑)。なんとなく普通じゃないことをしてみようかなと思って、移植後落ち着いてから青森に。育成牧場というのは繁殖後の馬を競走馬に仕上げるところなんですが、そこに馬フンを使った有機野菜の農場があって……。
  • あー、つながって来たぞ来たぞ! とはいえ感動の展開になるかと思えば場外馬券売り場ですか(笑)。個人的にはかなりウケます。でも、ギャンブルではなく馬だったので安心しました。
  • 柴田 アイコンそこに奥さんが野菜を作りにやってきたんですよ。自分は馬のほうを続けるつもりだったんですが、だんだんに「野菜やろうかね」って感じになっていって。
  • 競走馬に未練はなかったんですか?
  • 柴田 アイコン競走馬には未練はなかったんですが、馬は飼いたいと思っているんです。自分で乗るためにですけどね。

  • よかったー農耕馬にするのかと思った(笑)。さて一方の利波さんは農業に興味があったんですか?
  • 利波 アイコンいや全然! 僕は大学と大学院で精密工学、ナノテクノロジーを学んでいたんです。でもなんだか向いてないなぁと思って。
  • 向いてないとわかるまでに6年! 長かったですねえ〜(笑)。
  • 利波 アイコン大学院に行く時に卒論代わりの企業実習というのがあって、半年間、企業の開発部門で実習したんです。でも「これを毎日やるのか〜」と(笑)。そのとき通っていた飲み屋なんですが、常連さんが自分で生計を立ててる人ばかりで、話をしていたら会社員より自分に向いてる気がしてきたんです。農業でというより、自分で生計を立てる、ということですが。
  • 竹細工のカゴ
  • 柴田さんのこだわりグッズ 竹細工
  • 草の会の先輩から習っている竹細工。自分で出来ることは自分でやりたいという柴田さんが習得したい技のひとつ。「ください!ください!」とお願いしましたが「まだ人にあげられるほど上手くないので絶対にいやーーー!」と断られました。
柴田 勲 さん 利波 浩樹 さん