開拓魂、まだ燃えてます

五十川 賢治 さん

五十川 賢治 さん

(有)大牧農場 取締役/(株)イソカワファーム 代表取締役
1972年生まれ(41歳)
拓殖大短期大学卒業後すぐに就農し、21年のキャリアをもつ大ベテラン。ジャガイモを始め、大豆、小豆などを栽培。寒さに弱い。

2014.2.20
開拓魂、まだ燃えてます
第8回は十勝平野のほぼ中央、音更(おとふけ)町でジャガイモ、小麦、ニンジンや大豆、小豆などを栽培している五十川さんを取材しました。といってもマイナス20度を下回る冬の音更町には間違っても行きたくはないので、福島で開催されたRadixの会「全国若者集会」で便乗取材です。
五十川さんの畑は、1950年(昭和25年)に入植・開拓が始まった区域。おじいさんが入植して開墾し、父・勝美さん(大牧農場代表)が広げた畑は3代目賢治さんに引き継がれています。当時の開墾の方法、北海道ならではの大規模農業について、意外と知らない話に担当者も大興奮!
  • 若者集会に出席してるから捕まえたけど、就農して20年以上の大ベテランなんですよね。最初から農家になるつもりでした?
  • 五十川 アイコン妹二人で男は俺だけだったから、なぁんとなくやるんだろうな〜ってね。母親助けたいって気があったな。
  • あらあら、お父さんじゃないんですか?
  • 五十川 アイコン特に母親ってことね。オレが継げばみんな助かるだろうなとか考えて。じいちゃんは「賢治、賢治」ってすごくかわいがってくれたし、汚い仕事って嫌いじゃなかったし。
  • 高校は農業高校だっだそうですが、ちゃんと農業の勉強はするんですか?
  • 五十川 アイコン
  • あーバッチリだよ! 1年で鶏、2年で牛豚、土壌学から作物の特性、施肥設計…畜産・農業のことをきっちり学ぶ。「銀の匙」ってとこでしょうか。帯広農業高校は結構レベル高くて、進学率も高いよ。かといってオレは頭いい訳じゃないけど(笑)
  • ※「銀の匙」は週刊少年サンデー連載の漫画(作/荒川弘)。各方面で大評判のこの漫画、アニメだけじゃなくて実写映画にもなるらしい。実は帯広農高がモデルだ!
  • 若者集会では世話役の一人

    5年ぶりに開催されたRadixの会の「若者集会」で、五十川さんは世話役の一人。「若者集会」から「らでぃっしゅ次世代ネットワーク」に名称が変更されるもよう。まぁワカモノと言うには……いえいえ何も申しません。

  • 農業高校はテキトーに畑作って終わりかと思ってた。失礼しました。その後は?
  • 五十川 アイコン拓殖大学短大の北海道校で農業経済を学んで、卒業したらアメリカかヨーロッパに勉強に行こうと思ったんだけどね。親父が大牧農場で販売を始めた頃で、忙しくて体を壊してしまって、すぐに家に入ったんですよ。
  • 五十川家の畑は開墾された土地だと聞きましたが。
  • 五十川 アイコン
  • 十勝川から北は国の軍馬育成場だったんですよ。戦後、引き揚げ者への仕事を与えるためと食糧増産を兼ねて、1人11ヘクタールを開拓したら自分の土地にしていいですよと。シベリア、満州から引き上げて来た人たちもたくさん入植したんだよね。
  • もともと北海道の出身なんですか?
  • 五十川 アイコン大おじいちゃんは岐阜出身なんだけど、駆け落ちで十勝に入植してきたんだよね。その後いろいろあって、最終的に今の畑の場所に落ち着いた。
  • うわぁー、ものすごくドラマチックでロマンチックな五十川家の歴史!
  • 五十川 アイコンでしょー。その後は人にも恵まれて、僕が就農した時に80haに、現在は150haまで畑が広がりました。
  • それは空いた土地を購入されていったってことですよね?
  • 五十川 アイコンなかなか収入も安定しないし、若い人が帰ってこないんだよね。入植時には200戸だったのが今では17戸まで減って、もう1割切ってるんですよね。
(08) 有限会社 大牧農場 五十川 賢治 さん