在来種が持っている底力とは

在来種が持っている底力とは
  • 上村真由美さん

    鹿児島の自然食品店で働いていた真由美さんに「息子に会ってみらんね〜?」と声をかけたのはお父さん! 旦那をしっかり支え、上村家にはなくてはならない存在になることを、お父さんは予見してたんじゃないでしょうか。

    • 上村 アイコン作業は4人でやっていて、受注分を収穫。その日に出荷するので、洗って切って詰める!
    • さっき奥さんたちがやってらした作業ですね。でも根菜なんだから、そこまで急がなくてもいいような〜。
    • 上村 アイコン やっぱり鮮度がいい方がいいでしょ? もちろん根菜だから、1週間くらいたっても全く平気なんですけどね。
    • 市販のレンコンで、高いくせにカッサカサってのがありますからね。
    • 上村 アイコンらでぃっしゅぼーやにそんな商品出した日にゃ……担当者に飛んで来られても困りますからね(笑)
    • そういえば在来種ってグルメ番組までが扱うようになって、けっこう注目株ですよね。
    • 上村 アイコンきてますね〜。地元紙の熊本日日新聞でも在来種の特集をしていて、僕も執筆しているんです。今度、熊本の在来種を扱った書籍にもなるんですよ。TPPに対してどうするべきか、誰も明確な答えを出せていないですよね。僕はね、海外の農産物と競争していく時、唯一の武器になるのは在来とか地域性とかそういうものかな〜と思ってるんです。
    • ところで、現在のレンコンの出荷量ってどうなんですか?
    • 上村 アイコン嬉しいことにとても人気があって、出荷制限をかけてるくらいなんですよ。
    • レンコン市場全体……じゃないですよね?
    • 上村 アイコンうちで出してるおいしいレンコンです(笑)。1日に掘る量は限られるし、全国に出荷しているので足りないくらいなんです。栽培しているのが4軒なので、事務所で「これくらいはいけるだろう」と調整をしてもらって収穫してます。
    • お話しを聞いている間も電話がひっきりなしにかかってきて、ホントに忙しそう〜。
    • 上村 アイコンレンコンづくりを完全に引き継いで、3年前に加工会社の代表になって、今は地域の仕事もあって、39年間で一番忙しい年かもしれないです。40歳過ぎてからが本番って言いますよね?今の忙しさを考えると「頑張れオレ」としか言いようがないですけど(笑)。
    • 上村さんのご自宅で

      お祖母さん、お父さん、お母さん、奥さんに娘の6人家族に近々息子が加わる予定。「4世代が1軒の家に暮らすって最近は田舎でも少ないみたいだけど、すごくメリットが多いんですよ!」と上村さん。大家族っていいなぁ〜。

    • 今後の計画などはありますか?
    • 上村 アイコン加工の方はもうちょっと伸ばせるかな?レンコンは台風一発でそこから育たないとか、収穫量がとても不安定なので、畑を広げることで安定させたいって思ってます。条件にあった土地はなかなかないのが悩みどころなんですが。
    • 引く手あまたでも商品がなくちゃ始まらないですものね。仕事以外の夢は?
    • 上村 アイコン夢はお笑いミュージシャン!ま、それは遊びの部分ですけどね。めちゃめちゃ仕事をしながら楽しんでいる人っているじゃないですか。遊びながら仕事をするくらいの。たとえば所ジョージみたいにね。でも、あのふざけたおじさんでも「50歳までは面白いことなんてひとつもないよ〜」って言ってましたから。うちの父はそこまでのレベルまで行ってると思うんです。仕事が遊び、遊びが仕事、理想ですよね……。あ、そうそう。
    • うわ〜最後に来て、またレンコンの敵の話ですか?
    • 上村 アイコン違いますよ(笑)。Radixの会の海外研修に行って、仕事に対する考え方がかなり変わったんです。同い年くらいの生産者さんとの交流って、とんでもなく刺激になるんですよね。特に言葉の通じない海外だと、交流の密度がとんでもなく高くなる。Radixの会のワカモノよ、みんなで旅に出よう。
    • 上村ダーvsカモ軍団

      もちろん“ほり丸くん"(レンコン堀り機)にはカモ撃退の機能はついてないです。 どなたか困ったカモ軍団を追っ払う、いいアイデアをください!

    • 20年もレンコンを見てきた上村さんには、レンコンの穴の向こうに、きっと何かが見えてるはず!全国に広がるRadixの会生産者さんたちを、音楽でつなげる素敵なアイデアもいただいてます。ぜひ実現しましょうね。
    • (2015年2月12日取材)
    次回は同じ水の子会、柑橘生産者の桝永さんと中山さんを取材します。
    (15)水の子会 上村 一宏 さん