良い牧草と環境、管理、全てそろって良い牛が育つ

良い牧草と環境、管理、全てそろって良い牛が育つ
  • 高橋さん、牧草の上で

    「昔よりは新規就農も楽になったんですよ。補助金制度もあるし、離農する人のところに実習後気に入られて引き継ぐとかね」という話も伺ったが、素晴らしい牧場がすでにあるアドバンテージはやはり大きいですよね!

  • 高橋 アイコン 出荷の時にブラシかけてやったりすると警戒して蹴ってきたりね。普段そんなことやらないから「何すんのよ〜」って。あと、たまに踏まれたりしますね。ヒヅメの先まで神経は通ってないので全く気がついてないというか……。牛は重いですからいくら押しまくってもどいてくれない(笑)
  • 畜産、酪農に必要なのは体力と、そして俊敏さですね。
  • 高橋 アイコンいつも何があってもいいように構えてはいますよ。
  • けっこう楽しんでるみたいに見えますが。
  • 高橋 アイコン楽しんでますねー。帰ってきてすぐはそんなに楽しんでもなかったかな。どういうふうにやっていこうかって考えるようになって、先を考えて仕事をするのが楽しくなったんですよね。どんな管理をすればいいだろう、どんな牛舎を建てたらいいだろう、とかね。
  • 農業だったらもっとおいしく!もっと収量を! ですが畜産だと?
  • 高橋 アイコンもっとおいしい牛、いい牛を育てたいってのはありますが、自分としてはそれは当たり前。いい牧草に環境のいい牧場や牛舎。すべてのことがあって結果的にいい牛が育つ、と思ってるんですよね。
  • まだ不満な所ってあるんですか?
  • 高橋 アイコンまだまだお金がないんで工夫しながらやってますね。少ない人数なので作業しやすくというのを最優先で考えたいです。一度に全ての牛舎を新しくは出来ないですから。
  • トラクターの高橋親子

    晴れ渡った牧場で父と息子のトラクター作業!なんだか良い風景だなぁ。戦っているのではありません。

  • 朝は何時に起きてるんですか?
  • 高橋 アイコン最近はちょっとサボリ気味だからな。6時とか6時半とか。
  • 夜明けから働いてるイメージが!
  • 高橋 アイコン あ、それは酪農ですね。搾乳とかあるから。畜産はそんなでもない。まずえさやり、牧草地で牛を呼んで飼料を食べさせたり。

  • 牛を呼ぶときはなんて呼ぶんですか?北十勝ファームは「ベー」だったんだけど。
  • 高橋 アイコン「こーいこいこいこい」ですね。聞き慣れた声で集まるから何でもいいんですよ。トラック見るだけでも集まってきますよ。牧草地の草がなくなってくると「あ、トラックも来たし移動だな」って牛たちもわかってるようです。
  • えりもに農家は多いんですか、畑はあまり見えないけど?
  • 高橋 アイコン農家は15〜20件くらいで少ないですね。同級生でも1人くらいで、みんな漁業です。うちも昆布の季節には昆布漁をやってるんですよ。日高昆布です。
  • そうやって楽しく家族で仕事できるって、高橋家って良い家族なんだな〜。
  • 高橋 アイコンそうなのかな……。家族で仕事だと、家の中で話すことは仕事の話ばかりかも。情報をいつでも共有できるのは家族だからこそだけど、腹立ったときはそれが仕事に出たり悪い面もある。でもこんな忙しい仕事でも、いろいろ融通が効くのは家族経営だからですね。
  • 高橋家はお母さんの負担がすごそうだけど!
  • 高橋 アイコン男たちは頭が上がんないです。

  • 男どもはちゃんとお母さんに感謝してるようですね! さて最後に、高橋さんの今後の目標は何でしょう?
  • 高橋 アイコンまずはオヤジを越えないと……。30から35までには越えたいかな。とは言え何を越えるというのかな。まずは高橋祐之の息子さんって言われるのを、高橋基弘のお父さんって言われるようになりたいな〜。あっはっは!
  • 刈りたての牧草は、全てのアロマに勝つ!

    刈りたての牧草の上で撮影したら、あまりの香りの良さに立ち上がれなくなる取材スタッフ3名の気分はもうハイジ。目の前に広がる青い海と牧草の香りで仕事になりませんでした。

  • 高橋さんの見た目は「こんな仕事やってらんねー」と斜に構えたクセあり農家っぽいのに、実は仕事好きの好青年なんです!冗談好きの楽しいお父さんと働き者のお母さん、そこに新婚ホヤホヤのかわいい奥さまも加わって、高橋ファームはますます素敵な牧場になることでしょう。
  • (2016年6月28・29日取材)
次回は2月に取材した、千葉のさんぶ野菜ネットワークの下山修弘さんのお話です。
高橋 基弘さん