これから挑戦!「おいしさの物差し」づくり

皆から認められる自分になるために必要なこと
  • 東京の雑踏を見下ろして

    東京の雑踏を見下ろして。サーファー時代には浜辺を清掃したりと、自然が大好きで大切に考える斉藤さん。田舎のヤンキー(元です!)ってそうなの。

    • こつこつ続けるって実は難しいし大事なことだと思いますよ。ところで、あゆみの会とアグリクリエイトはお父さんが一代で築いたんですよね。
    • 斉藤 アイコンで、私がつぶすのか?(笑)
    • いやだいじょうぶ。一般的につぶすのは三代目だから! 今はどのくらいの生産者さんがいるんですか?
    • 斉藤 アイコン玉ねぎやにんじんなんかは産地リレーが必要なので、現在は北海道から種子島まで100以上の団体や生産者さんがいますよ。納めるのは大きいところはらでぃっしゅぼーやさんからスーパー、小さいところは自然食品店とかにも卸してます。60〜80社くらい動かしてるので結構忙しいですね。
    • その他にもらでぃっしゅぼーやのエコキッチン倶楽部で循環型農業ってのを実践されたり、お父さんはどんどん新しいことに挑戦されてますね。
    • 斉藤 アイコンそうです。東京支社では銀座でミツバチ飼ったり、デパートの屋上で野菜作ってたり、夢の島の農園管理したり。本人の前では絶対言わないですけど、オヤジはほんとにすごいと思います。家ではほとんどしゃべらない。ずっと考えているのか、テレビに夢中になってるのか……(笑)。いやあれは考えてるんですね。
    • バリバリ新しいことに挑戦される元気な社長だから、世代交代はまだまだ先ですね。
    • 斉藤 アイコンいやそれが困ったことに、もう好きな仕事をしていきたいから社長は引退して会長になるとか言うんですよ。
    • お、それは二代目大変だ。社長の息子というのを意識してますよね?
    • 斉藤 アイコンそれはもう最初からです。今のスタッフはオヤジに付いてきた人たちですから、果たして私について来てもらえるのか…いろいろなことが自分の中で葛藤しています。まあ頑張るしかないですね。
    • さて、二代目修行中の斉藤さんですが、これからの課題とかやりたいこととか教えてもらえます?
    • 斉藤 アイコン「普通」っていうのが好きじゃないって言いましたけど、有機栽培や自然農法、特別栽培など、こだわり野菜がやっと流通に乗って流れるようになって、今ではスーパーで買えたり普通のものになってきたじゃないですか。普通になってきたことは嬉しいことなんですよね。でも、何だかその「普通」っていうのが変じゃないかな?って。「普通」って何?って。今は、ただ栽培方法と物だけが流通にのっかっているような気がする。生産者・産地が、食べる人や環境のこと、色々な事を考えながら頑張って育てた野菜。消費者にはそこに携わる人達の「思い・意味・価値」を理解してもらい買い支えてもらいたいですね。価値のある野菜を作ってもなかなか高く売れない時代……。本当は値上げしたいくらいなんですけどね。
    • 福島県相馬の海岸地区にて

      会社のこと、野菜のこと、自分の立ち位置、二代目を意識するといろいろと悩みも出てくる。

    • 今は価値をわかってもらえない?
    • 斉藤 アイコンこだわりの野菜でも高いとなかなか売れない。本当の価値がちゃんと捉えられてないんじゃないかなって思います。ただ安い、その場、売り場、にあることが「普通」では困る。「思い・意味・価値」も流通にのって、店頭に「普通」に並ぶ。そして消費者の手に届く。そこで初めて良い意味での「普通」になれると思う。
    • ブランド価値を上げることが斉藤さんの必須業務か。
    • 斉藤 アイコンそうそう、うちの産地には色々なこだわりアイドルがたくさんいるよ。もうAKB越えちゃうよって?(笑)化学肥料や農薬がだめとは思いません。その恩恵に支えられてきた農業・食糧の世界だとも思います。ただそのツケが今まわってきています。とにかく農業の重要性を皆に知ってもらい、物の価値を正しく伝えること、なんとかしないといけないですよね。
    • あゆみの会の野菜アイドルたちをガンガン売っていくこと。他にこれはやりたいってことは?
    • 斉藤 アイコンスタッフが楽しく働ける職場をつくることですね。今はとてもキツイ。地震の後は踏ん張りどころだったんです。でも、ずっと踏ん張ったままなんです。楽しく働けるってことは絶対考えたいですね。
    • 東京に足を運ぶならと、クライアントへの提案もかかえて来た斉藤さん。これが道路で暴れていたヤンキーの15年後なんでしょうか……。
    • 働き者の営業マンへの変身

      働き者の営業マンへの変身には「働く父の背中効果」に加え「見守る母親効果」ってのもあったと思いますが。なお、ヤンキー時代の斉藤さんは取材から想像した担当者の創作です。そんなに違ってないと思うけど…。

    • 今はまだまだ仕事に突っ走る時なのかもしれないですが、大好きなサーフィンをする余裕が少しでもできるといいですね。ヤンキーが更正する課程、実に楽しく聞かせていただきました!
    • (2014年4月21日取材)
    次回は群馬県「野菜くらぶ」の竹内崇さん、小林啓子さんをはじめ、たくさんの「野菜くらぶ」のワカモノを取材します。
    (10) あゆみの会  斉藤 篤司 さん