農家って誰でも出来るもの?

新人なのに農地を拡げた理由とは
  • 右田兄妹

    「仲がいいってどういうことなんですかね」という忠利さん。言われてみれば確かに。でも、一緒に農業ができるっていうことは仲がいい証拠かと。

  • 忠利アイコン僕がこっちに帰って何をすればいいかわからない時期に、妹は一連の仕事のサイクルなんかを把握していたんですよね。
  • じゃ、先輩風を吹かせてたわけだ。
  • 忠利アイコンでも妹がRadixの会で研修生だった期間とかを計算すると、二人とも8年の経験なんですよね。
  • 意地でも妹より少ないキャリアとは認めたくないお兄ちゃん(笑)。ところで畑に出るのは?
  • 忠利アイコン家族4人と常時雇用の人が一人、5人でやってます。
  • お母さんも畑に出てるんだ。
  • 利香アイコン母がいないと何にも回らない。何でも知ってるし、何でもできるし(笑)
  • 忠利アイコン全員野球じゃないけど、みんなでやらないとまかなえないんです。
  • でもミカン農家でもオフの時期ははあるんでしょ?
  • 利香アイコンないです〜!(笑)

  • 忠利アイコン9月からいろんな品種をリレーして、2月くらいまで収穫と出荷。その他の時期は剪定、無駄な実を取る摘果。肥料をやったり、草刈りやったり、1年中何かしら作業をやってますね。それに草枕グループの事務局を兼ねているので事務的な作業もたくさんある。
  • F1-MASAO

    クラス最速を誇る(?)F1-MASAOは草刈機まさおくんの後継機。右田家でも大活躍の乗用型草刈機ですが、「ブッシュカッター・ジョージJr.」だの「主役芝耕作」だの、この会社の商品名はおやじギャグ過ぎる。

  • その大変なお仕事をやってる畑だけど、意外となだらかなんですね。広さはどのくらい?
  • 忠利アイコン8.4haあります。ここらの畑は3haが平均だからかなり広いですね。実は父が倒れてから大幅に畑を拡げたんですよ。
  • えっ?ルーキー2名なのに畑を拡げた?
  • 忠利アイコン昔は父のネットワークで大量に集めて販売してたんですが、父の病気を機に信頼のおける人たちだけの、こじんまりグループにしたんです。畑を拡げたのは、グループの人数が減ったとしても我が家だけでもやっていけるように、少ない人数でもしっかりした生産物をつくれるように、と考えてです。
  • 利香アイコンなだらかだから車も機械も入れられるんですよ。もちろん機械を入れるために道を作らなきゃいけないから、そこに木は植えられないですけどね。
  • だから機械もイロイロ入れてるのね。なだらかなミカン畑バンザイ!だ。
  • 忠利アイコン少ない人数でやっていくには合理化は必須ですからね。面積が広がれば作業道も作れるし機械化もできる。収量も増えますし、面積当たりの経費も抑えられるから収益を上げられるんです。一般的には傾斜のきつい畑でおいしいミカンが採れるんですが、この地域は緩傾斜でもおいしいミカンが採れるので、この辺は農家が欲しがる畑なんです。
  • 若いからこそ、将来を考えて拡げることができるのかもね。お年寄りじゃそうはいかない。
  • 忠利アイコン果樹農家の高年齢化はすごいですからね〜。

  • 利香アイコン果樹は就農者全体の平均年齢より5歳ばかり上なんですよ!平均が66歳だから71歳。「おっ若者が帰って来よるばい!」とか50代のおっちゃんに言いますからね〜。
  • 利香さんの作業着

    利香さんの作業袋には剪定ばさみや折りたたみのノコギリ、手袋などなどが入っている。彼女の出で立ちはとにかくカッコイイ!

  • ここでも継ぐ人が少ないんですか?
  • 忠利アイコン僕が子供の頃は全員ミカン農家の子だったのに、継いだのは3人だけですからね。妹の中学の同級生でも他に1人だけだとか。
  • せっかくの素晴らしいミカンの産地なのに。でも、最近はでっかいミカン箱って見なくなってるし…。
  • 利香アイコン昔は15キロ、私が就農したころで10キロくらいに、今は5キロとか3キロが主流ですよね。2.5kg作ってくれという要望もありますから。
  • FM-AMポケットラジオ AIWA CR-AS23
  • 忠利さんのこだわりグッズ FM-AMポケットラジオ AIWA CR-AS23
  • 毎日の作業で欠かせないのが使い込んだラジオ。「情報と時刻を知るための必須アイテム。コイツは電池切れそうな時にはブーーーって不満な感じの音を出すけれど、叩けば復活する。なんだか、昭和のテレビと同じ!」結局、すぐにバッテリー切れするiPodなんかよりラジオって活躍するんだなぁ…。